社会医療法人財団 池友会 福岡和白病院
Fukuoka Wajiro Hospital

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循環器内科

心臓弁膜症

心臓のなかには4つの弁があります。弁には血液の流れを滞らせることなく、静脈から肺へ、心臓から全身へ血液を送り出す重要な役目があります。弁の開きがわるくなれば狭窄症になります。また弁の締りがわるくなれば、逆流症になります。よく遭遇するのは大動脈弁と僧帽弁の病気です。

大動脈弁について

大動脈弁狭窄症とは、炎症性反応、癒着、硬化、石灰化などにより大動脈弁が十分に開かなくなる病気です。生まれつきのものや加齢、動脈硬化などが原因とされています。この病気の患者さんは心臓から全身へ血液を送られるときに大動脈弁が十分に開かなくなるために全身が血行不良となり、失神や運動時のの胸の痛みなどの症状がみられます。
大動脈弁

治療法

治療法には以下の3つがあります。
 

薬による治療

症状はいくらか改善しますが根本解決ではありません。
 

外科的大動脈弁置換術

現在でも標準的治療とされる方法です。胸を切り開く必要があり、術後の回復に時間がかかることがあります。
 

経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)

カテーテルにて弁置換術を行います。全身麻酔で行いますが非常に体への負担が軽く、高齢の方でもほとんどの場合治療可能です。特にこの中でもTAVIは近年とても注目されている治療であり、当院でも2018年に開始してすでに80例を超える患者さんに実施しており、高い成功率を維持しております。
  • 経大腿動脈アプローチ
  • 経心尖アプローチ

僧帽弁について

僧帽弁狭窄症は、左房と左室の間の弁が固くなり開きがわるくなった病気です(図1)。症状が重篤になればカテーテルによるバルーン拡張術(図2)が外科的弁置換術を行います。どちらの治療が望ましいかは、心エコー検査をはじめとする様々な検査の結果をもとに、心臓外科医と循環器内科医との協議のうえ患者さんの意向もあわせて決定します。大動脈弁狭窄症と同様、外科的治療、カテーテル治療それぞれメリットとデメリットがあります。

図1
図2
僧帽弁閉鎖不全症は僧帽弁のしまりが悪くなる病気です。血液が肺のつながっている肺静脈に逆流するため肺が血液で溢れてしまい呼吸がしにくくなります。これも大動脈弁狭窄症と同じく、治療法としては、薬物療法、外科的弁置換術または形成術(図3)、カテーテル弁修復術(図4)(当院では今後導入予定)が選択されます。治療法の選択には経食道心エコーや運動負荷エコー、カテーテル検査を行い最良のち療法を選択いたします。
図3
図4