最近、テレビや雑誌などで「がんゲノム医療」という言葉を目にすることが多くなりました。この「がんゲノム医療」とは何でしょうか？

がんゲノム医療とは、がんの組織（または血液）から多数の遺伝情報を同時に調べることから始まります。この検査方法をがん遺伝子パネル検査と言います。がん遺伝パネル検査を行うと、がんの進行に重要な働きをする遺伝子の変異を明らかにすることができます。その遺伝子変異に対応した薬があれば使用を検討することができるわけです。2019年6月から保険適応になりました。

がん遺伝子パネル検査には、患者さまのがん組織を手術などで取り出して調べる検査、または、血液から調べる検査があります。
基本的には、手術で切除したり検査のために採取したがん組織を保存していたものを使います。何らかの理由でがん組織の使用が難しい場合は血液を用いたがん遺伝子パネル検査を考慮します。リキッドバイオプシーと言います。検査の種類によってはがん組織と血液の両方を用いて検査します。

がん遺伝子パネル検査では、どのような遺伝子に変化が起こっているのかを包括的に調べますが、必ず遺伝子変異が見つかるわけではありません。また、遺伝子変異が見つかっても、効果が期待できる薬剤の情報が得られない場合もあります。さらに、国内では承認されていないなどの理由により、実際に治療を受けることが難しく、従来の治療を選択することになる場合もあります。

がん遺伝子パネル検査によって、遺伝性のがんについての情報が得られる場合があります。詳しくは、医師や遺伝カウンセリング担当者にご相談ください。

検査を提出して、結果説明までには約2〜3か月の期間が必要です。その間の治療は担当医と相談します。

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