深部静脈血栓症(以下DVT)とは、下腹部や太もも、膝の中心を走る深部静脈(腸骨静脈、大腿静脈、膝窩静脈)に血の塊(血栓)ができることです。血栓が足の静脈から心臓や肺に向かって流され、肺の血管に詰まった場合、肺塞栓症を引き起こします。
DVTの原因は多岐にわたります。手術(特に整形外科手術後の発症率が高い)、長期臥床、悪性疾患、妊娠、経口避妊薬服用、血栓性素因等(プロテインC異常症/プロテインS異常症、抗リン脂質抗体症候群など)が考えられています。近年では、長時間の飛行機旅行で同じ姿勢をすることで発生するため「エコノミークラス症候群・旅行者血栓症」とも呼ばれています。
治療には抗凝固剤という血液をサラサラにする薬が用いられます。また、当院では下大静脈にフィルターを留置し、血栓が肺の血管へ詰まるのを防ぐ治療や、多数の穴から薬剤を噴射するカテーテル(ファウンテンカテーテル)を血栓の中に留置して血栓を溶かす治療を行っています。
深部静脈血栓症(シャント治療)
深部静脈血栓症(DVT:deep venous thrombosis)とは

IVCフィルター
Fountainカテーテル
VAIVT:Vascular Access Intervention Therapy
閉塞部位
風船治療
血流再開