社会医療法人財団 池友会 福岡和白病院
Fukuoka Wajiro Hospital

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循環器内科

急性心筋梗塞

原因

心臓は全身に血液を送るポンプの役割をしています。ポンプ機能の中心である心筋へ血液を送っているのが心臓を取り囲むように広がっている「冠動脈」という血管です。冠動脈に生じた動脈硬化性プラークが破綻し、冠動脈が急性に血栓閉塞する疾患が「急性心筋梗塞」です。原因は多くは動脈硬化の進行によるものです。

症状

急性心筋梗塞を発症した場合、胸が締め付けられる、圧迫されるなどの胸の痛みが持続します。時に冷汗などを伴い、安静や薬を投与しても症状が治らないことがほとんどです。

急性に発症し、時間が経過するほど心筋の壊死が広がります。心筋の広範な壊死を生じると様々な合併症を生じ、時には致命的となります。そのため速やかに診断を行い、治療を緊急で行う必要があり、急いで医療機関を受診する必要があります。

治療

当院ではPCIなど急性心筋梗塞に対する一般的な緊急治療から、IABP/ Impellaを代表とする機械的サポートなど特殊な治療まで、24時間365日専門医が対応できる体制をとっています。
 

治療は速やかな再灌流療法が必要で、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)と呼ばれるカテーテル治療が行われます。閉塞部の血栓を吸引し、風船で拡張を行い、最終的に冠動脈閉塞部にステントを留置し閉塞部を解除します。病院受診後90分以内の治療を行うことが強く推奨されており、当院では病院受診後速やかに治療が行えるよう24時間365日専門医が治療できる体制を敷いています。
 

多くの心筋梗塞患者さんのPCI治療後症状は改善し、心臓リハビリ後退院できます。しかし時に様々な合併症が発生するため、治療後は集中治療室(ICU)での管理を行います。不整脈や機械的合併症心室中隔穿孔、乳頭筋断裂、心筋破裂など様々な合併症がありますが、その中でも重篤な合併症が心原性ショックであり院内死亡率が40%-50%に上ります。強心薬などの薬剤で治療困難時には機械的な循環補助が必要となります。

従来は大動脈バルーンパンピング(IABP)、経皮的心肺補助装置(PCPS)による循環補助が主でしたが最近ではインペラ(IMPELLA)という新しい循環補助が可能となりました。非常に小型のポンプを大腿動脈から経皮的にカテーテルを用いて左心室内に入れ、ショックに陥った心臓の補助を行います。心原性ショック患者さんの救命率および予後改善が期待されています。当院では2020年4月より実施施設(福岡県では2021年4月現在5施設)として認定され、重篤な心筋梗塞患者さまの救命率の向上につなげています。