社会医療法人財団 池友会 福岡和白病院
Fukuoka Wajiro Hospital

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Fukuoka Wajiro Hospital

腎・泌尿器外科

後腹膜鏡下尿膜管摘除術

尿膜管遺残とは

図1

尿膜管はお腹の中の赤ちゃんの時に臍と膀胱をつなぐ管(図1)で、出生後に閉鎖・消退しますが、尿膜管が閉鎖せず、大きくなっても残った尿膜管に膿瘍やのう胞、悪性腫瘍が発生することがあります。症状の改善がない場合や悪性腫瘍を疑う場合などには尿膜管摘除術が必要となります。

尿膜管疾患の患者さまは比較的年齢が若い方が多く、手術による傷が気になることがあり、近年では腹腔鏡下で行われるようになりました。

図2

当院で行われている後腹膜鏡下尿膜管摘除術は、下着に隠れる恥骨上の部分の切開だけ(3-5㎜の鉗子を挿入するポートは追加します)で手術が可能であり、大きな創を残すことなく手術を行うことができます(図2)。また、腸管のある腹腔の外側の空間(後腹膜/腹膜外)で手術をするため、翌日より食事摂取が可能となり、術後の腸管の癒着もほとんどありません。2022年より本術式を施行しております。

後腹膜鏡下尿膜管摘除術

手術が必要と判断した尿膜管疾患(尿膜管のう胞、尿膜管膿瘍、尿膜管悪性腫瘍)の患者さまに対して行っております。尿膜管膿瘍の患者さまでは、炎症を繰り返す場合やにおいや違和感がある場合、今後の再発予防のために手術を行う場合はあります。

手術について

手術方法としては、図2のように恥骨上に陰毛に隠れる部分に5㎝程度の横切開を行い、膀胱の前面の空間(後腹膜/腹膜外)に到達します。後腹膜腔に二酸化炭素を送り込み、お腹を膨らませて手術ができる空間を確保しカメラ・鉗子等を挿入して、膀胱と臍をつなぐ尿膜管を切除します。最後にお腹の中に貯まった血液や体液を排出させるドレーンを入れて、尿道カテーテルを留置し手術を終了します。

入院について

入院の経過としては、前日に入院して当日手術、翌日までベッド上で安静にしていただきます。手術翌日より食事を開始し、可能であれば離床して歩いてもらいます。お腹の中まで入っているドレーンが抜去できれば術後数日で退院は可能です。抜糸は術後約1週間後に外来で行うことが可能です。膀胱頂部に病変があり膀胱を部分的に切除する場合は、10日程度の入院期間が必要となります。