ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術
腎臓がん
腎臓は2つあり、握りこぶし大の臓器で、腹部の背側、つまり背骨の左右に1つずつ並んでいます。腎臓は尿を作り、尿は排泄されるまで膀胱に溜められます。
腎臓がんは、男性、喫煙者、40代以上、そして肥満の人でより多くみられる病気です。幸い、早期診断と治療により腎臓がんは治すことができます。早期に発見すれば生存率は80%にのぼります。
外科的治療
腎臓を切除する外科手術には腎摘出術と、腫瘍のみを切除し、腎臓の健康な部分を残す腎部分切除術とがあります。低侵襲性手術(腹腔鏡手術)では、術者はいくつかの小さな切開部から、長い手術器具と術中に医師をガイドするカメラを用いて手術を行います。
ロボット支援手術は、腎部分切除術を必要としている患者さまのためのもう1つの低侵襲性手術の選択肢です。術者は従来の腹腔鏡手術と同じように、いくつかの小さな切開部を作ります。3Dハイビジョンシステムや、人の手首よりはるかに大きく曲がって回転する手首を備えた器具を特長としています。

(中)腹腔鏡手術における切開部 *1
(右)DaVinci手術における切開部
*1 場合によっては、腎臓全体を摘出する必要があります。その場合、医師は摘出のため1つの切開部を広げます。
低侵襲ロボット支援手術とは
低侵襲ロボット支援手術(DaVinci)は、高画質で立体的な3Dハイビジョンシステムの手術画像の下、人間の手の動きを正確に再現する装置です。こうした特長により、術者は鮮明な画像の下、精緻な手術を行うことができます。DaVinciを用いたロボット支援下腎部分切除術は、以下のような利点があります。

【開腹手術と比べた場合】
- がん組織の正確な切除と精緻な腎臓の再建
- 適応がある場合、腎機能温存の高い可能性
- 合併症リスクの低減
- 入院期間の短縮

【従来の腹腔鏡手術と比べた場合】
- 手術時間の短縮
- 温阻血時間の短縮(腎機能には短い方がよい)
- 少ない出血量
- 入院期間の短縮