ガンマカメラ(RI)

ワークステーションにてさまざまな臓器の機能解析やCTやMRI等とのフュージョン(融合)画像作成が可能です。
画像・解析の紹介
心筋血流シンチ
心筋血流シンチは運動やお薬で心臓に負荷をかけた状態での心臓の血流状況を確認できる検査です。カテーテルやバイパス治療など、治療方針の決定に重要な役割を果たします。
当院では冠動脈CTとのフュージョン画像を作成できるソフトウェアを導入しており、心筋虚血の原因となっている血管を治療前に精度高く推定することが可能であり、効果的な治療に繋がります。
上段 負荷時の心筋血流
下段 安静時の心筋血流冠動脈CTとのフュージョン画像
(緑は血流が足りない領域)
骨シンチ
骨シンチは骨が壊れている部位に集まるお薬を利用し、主に骨への転移を発見するために役立ちます。CTのみでは指摘が難しい骨転移も多く、骨シンチを行うことでより正確に診断をすることが可能になります。
全身像
横断像
CT
脳血流シンチ
脳血流シンチは脳の血流状態を知ることができる検査です。脳動脈のバイパス術の治療適応を判断したり、また近年では認知症疾患の鑑別に多く使われるようになっています。国内多施設で蓄積された正常データベースと比較することで受験者の脳のどの部位が低下しているのかを詳細に解析していくことでアルツハイマー病などの診断を推定していきます。
SPECT像(輪切りの像)
左大脳(画面では右)は血流低下していますアセタゾラミド負荷を加えた際の血流定量を行いバイパス術の適応について検討します
正常データベースと比較して血流低下部位を詳細に解析することでアルツハイマー病やレビー小体型認知症などの認知症疾患の診断補助が可能です
アシアロシンチ
アシアロシンチは肝細胞に特異的に集積する薬剤を投与し、肝への取り込み具合を観察することで肝臓の機能評価を行います。主に肝臓腫瘍の手術やカテーテル治療前の機能評価に用いられます。
肝臓への薬剤集積スピードから機能を推定します
肝臓腫瘍摘出前の肝切除シミュレーション
安全に切除できるかどうかを推測します
副腎シンチ
副腎シンチでは褐色細胞腫や機能性腺腫などの診断を疾患に特異的な(特定の疾患にしか集まらない)薬剤を用いて診断することができます。
後面像
横断(輪切り)像
MRI画像
MRI画像とのフュージョン画像
副甲状腺シンチ
特異性の高い薬剤を用いて、副甲状腺腺腫の診断が高い精度にて可能です。CTとの融合画像を作成することにより小さな病変の位置も正確に把握できます。
正面像(頚部)
横断(輪切り)像
造影CT
CT画像とのフュージョン画像
消化管出血シンチ
消化管出血シンチでは内視鏡にての確認が難しい小腸の出血や間欠的出血(ずっと出血するわけでは無く、出血したり止血したりする)の評価に有用な場合があります。造影CTや血管造影にては活動性出血している時に検査をしないと分かりませんが、シンチでは間隔を置いて撮影することで出血の診断が可能となる場合があります。CTとの融合画像を作成することにより、出血部位の推定がより正確になります。
正面像(腹部)
CT画像とのフュージョン画像
センチネルリンパ節シンチ
センチネルリンパ節とは、がん病変からはじめに転移すると考えられるリンパ節のことであり、がんの近くに薬剤を注入し、その薬剤の流れからセンチネルリンパ節を割り出し、転移が存在しなければそれ以上のリンパ節郭清を省略するというものです。不必要なリンパ節の摘出を行わないことで術後のリンパ浮腫(腕の腫れなど)による生活の質低下を予防します。乳がんや皮膚がんなどの手術時に利用される方法です。
正面像
造影CT
ドパミントランスポーターシンチ
ドパミン神経の終末部に高発現しているドパミントランスポーターの分布を評価できます。パーキンソン病やレビー小体型認知症などの診断に有用です。
被殻優位の集積低下
(パーキンソン病)正常
心交感神経シンチ
心交感神経シンチ(MIBGシンチ)は長く心不全の評価に使用されてきた薬剤ですが、近年パーキンソン病やレビー小体型認知症にて心臓の集積が高度に低下するということがわかり、脳神経疾患の検査として使用されることが多くなりました。
正常
(心臓にきれいな集積)パーキンソン病
(心臓が全くみえません)
心筋(ピロリン酸)シンチ
近年、心機能不全の原因の一つとして心アミロイドーシスが注目されています。ピロリン酸シンチは疾患特異性が高く、診断に有用な検査です。

(正常では心臓は見えません)
甲状腺シンチ
甲状腺シンチでは甲状腺への薬剤集積程度を測定することにより、甲状腺機能の確認やバセドウ病、橋本病、亜急性甲状腺炎など甲状腺疾患の鑑別を行います。

腎シンチ
腎シンチでは腎臓への薬剤集積の様子、尿管から膀胱への薬剤移行を観察することで、腎機能や通過障害の評価ができます。大きな特徴としては血液や尿の検査では難しい、右腎、左腎それぞれの機能を分けて評価ができる点が挙げられます。
腎盂尿管移行部狭窄
(左腎では腎盂での薬剤停滞が目立っています)レノグラム
(両方の腎臓の集積の濃さをグラフにして機能や排泄能力の解析をします)