社会医療法人財団 池友会 福岡和白病院
Fukuoka Wajiro Hospital

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社会医療法人財団 池友会 福岡和白病院
Fukuoka Wajiro Hospital

部門紹介

臨床工学科(ME)

医療を支えるのは、メスや薬だけではありません。

医療を支えるのは、メスや薬だけではありません。様々な医療機器を使いこなし、より高度な治療・検査を目指すことで、私たちは命に関わっています。

勤務体制

スタッフ

令和3年度 38名
令和4年度 36名
令和5年度 38名 (男性:35名、女性:3名)

勤務時間

日勤 6:30~15:30(早出1)/7:00~16:00(早出2)/8:00~17:00
遅出 12:00~21:00(月・水・金の夜間透析のみ)
準夜 16:00~1:00(月・水・金の夜間透析のみ)
夜間帯・日祝日 夜勤2交代制(心外・カテは呼び出し体制)

勤務部署別体制

透析室 日勤帯10~16名(常勤:看護師3〜8名 クラーク1名)
*月水金は22:00まで2~3名、25:00まで1名
各種血液浄化(ICU・病棟) 1名
高気圧酸素治療室 日勤帯1名
血管造影室 3~4名
人工心肺 3名
下肢静脈レーザー 1名(治療日:水曜日午後)
MEセンター 日勤2名(常勤2名)
手 術 室 1名
在宅人工呼吸器 1名
不整脈 4名

1. 人工心肺業務

人工心肺は心臓・胸部大血管病変の手術において、生体の心臓と肺の機能を人工的に代行し血液循環を維持する生命維持管理装置です。
年間人工心肺件数は90〜130例であり近年増加傾向にあります。
内訳として心血管手術(冠動脈バイパス術他)約14%、弁膜症手術約31%、胸部大動脈疾患手術55%です。
人工心肺担当者は、人工心肺、心筋保護、自己血回収装置だけでなく術前カンファの参加から、当日麻酔導入の介助、手術終了後ICU入室までの機器セッティングまで行っています。
当院の心臓手術は医師およびコメディカルスタッフにて一体となりチーム医療を心がけています。
2023年より傷が小さく低侵襲な心臓手術であるMICS手術も開始しています。

2. 心臓カテーテル業務

循環器内科より「心疾患を一貫性にケアしてほしい」との要請を受け、2001年より心臓カテーテル業務を開始しました。
当初は、検査科に代わりポリグラフ操作での心電図計測・血圧計測・EPSなどの測定が主な役割でしたが、2005年新病院移転、ハートセンター開設に伴い、カテ室で行われる全ての検査・治療・IVUS・OCT/DFDI・各種デバルキングデバイス・エキシマレーザー等の各種デバイス操作、IABP・ECMO・IMPELLA導入の直接介助、カテーテルなどの医療材料管理などの業務も任されるようになり、現在ではカテ室物品全般の管理をする立場となっています。また、ハイブリッド室もあり、TAVI・ステントグラフト・Watchman・Mitraclip・PFO閉鎖などの治療も清潔野に入り直接介助を行っています。

3. 不整脈業務

もともと心臓カテーテル業務の一部として行ってきましたが、より専門性を高めるために2015年に不整脈部門を設立しました。
心臓カテーテルアブレーションに用いられる3Dマッピングシステムの操作・解析や、高周波通電装置、刺激装置の操作・管理を行っています。
また、心臓植込みデバイスにおける植込み・交換に加え、外来での定期検査や手術・MRI撮像での電磁干渉、遠隔モニタリングなど植込みからフォローアップまで臨床工学技士が中心となり、専門性の高い診断と治療をサポートしています。

4. 補助循環業務

重症心不全や呼吸不全の患者さまに対して一時的に機械で補助する補助循環装置(ECMO・Impella・IABP)の操作および点検、導入介助、搬送時のサポートを行っています。24時間体制で常駐して管理を行っています。

5. 血液浄化業務

平成5年に透析室を開設し、当初は4床のベットにて患者さまも数名の状況でした。年々患者数が増加し平成23年11月より第2透析室を増設。その後増床を重ね、ベッド数57床となり約150名の透析患者さまの血液透析を施行しております。
臨床工学技士の業務は穿刺・返血回収、患者監視装置・透析液作成装置等の保守管理、水質管理、透析条件の確認、フットケア・痒みケアチームへの参加など、透析患者さまとの関わりを深く持てるよう多岐に及びます。透析中の運動療法にも取り組み、患者さまのADL・QOL維持・向上を目指しています。

救急指定病院として多くの重症患者さまが治療を受けられており、アフェレーシスも多くCHDFをはじめ、各種吸着療法、血漿交換など様々な急性血液浄化療法(年間約130例)に対応しています。また、手術その他加療目的で一時的に他施設の透析患者さまをお預かりすることも多く、月に10〜20名の患者さまが入院透析を受けておられます。2024年より、入院透析室と個室を新設し、感染管理と快適な環境提供を行い、透析中の不安軽減を目指します。

6. 高気圧酸素治療業務

平成7年に第1種装置を導入し治療を開始しました。当時は脳疾患が中心で、次いで眼疾患が多く、一酸化炭素中毒や突発性難聴などが年数例施行していました。治療件数が増加し、平成12年に2台体制となり1日平均10~15例行っていました。平成16年に1台へ台数削減しましたが、高気圧酸素療法の幅広い適応に応え、多くの治療に貢献して行きたいと思います。

7. 機器管理業務

臨床工学技士は医療機器の専門医療職であり、院内で医師、看護師、各種医療技術者とチームを組んで生命維持管理装置の操作などを担当しています。
1993年臨床工学科設立より開始した機器管理業務は、当初、透析室の一部に空間を作り、手探りながらに機器の清掃や点検を行うことからスタートしました。
年々医療機器も増え2005年新病院移転に伴い、MEセンターを設立。全ての医療機器をMEセンターで中央管理するようになりました。
近年では1,700台以上の医療機器を管理しております。

業務内容は、病棟巡回での作動点検、各種点検、修理、購入機器の選定など多岐にわたっております。院内からの勉強会依頼も多く、他部署との知識、技術向上にも協力しております。トラブルに対してもレスポンスよく対応することを目標とし、また医療機器がいつでも安心して使用できるように日頃からの保守点検を通して、安全性確保に貢献しています。
2017年より新たな医療機器管理システムを導入し、院内の医療機器の把握、管理に努めております。

8. 人工呼吸器管理業務

2004年より人工呼吸器管理の充実を目的に、麻酔科医、看護師、作業療法士、臨床工学技士でレスピケア委員会を発足させました。院内の人工呼吸器使用患者さまの管理表作成など中心的役割を担い、毎週1回病棟を巡回し呼吸器管理についてディスカッションや勉強会を開催しています。近年では睡眠時無呼吸症候群に対応するマスク型の人工呼吸器CPAP(持続陽圧呼吸療法)や在宅人工呼吸器の導入についても関わりが増えています。
2022年からはICUにおける重症患者対応体制強化加算に伴い専従の臨床工学技士を1名配置しております。
当院において人工呼吸器管理は救急から在宅までの領域における業務となってきており、臨床工学技士として幅広い知識が活かせる業務と考えています。

9. その他の業務

  • 在宅人工呼吸器業務
  • 手術室直接介助業務
  • 下肢静脈瘤レーザー治療業務

おわりに

日進月歩に進化していく医療器械への対応・昼夜を問わず要請される技術提供への対応・立会い規制による臨床業務拡大への対応等ますます臨床工学技士の技術や知識が必要とされる時代になりました。

我々も忙しさに嘆いたり、研鑽を怠ったりしないよう、一つ一つ足元を固めていき、各種マニュアル・技士研修計画・機器保守点検計画を更に確立し、池友会のモットーである「手には技術、頭には知識、患者様には愛を」を実践して、患者様に最高の医療を提供できるよう努力していきたいと思います。