脳動脈瘤
経過観察、コイル、フローダイバーター、クリップ 最善の方法を
脳動脈瘤は、脳血管に“こぶ”ができ、その血管壁は弱く、破裂によりくも膜下出血を起こします。薬による治療で小さくなることはありません。そのため、5㎜以上の脳動脈瘤では破裂予防の治療を検討します。治療法には血管内治療を開頭手術があります。
血管内治療は大腿部の動脈からカテーテルを脳動脈に誘導しプラチナ製の“コイル”を瘤内に留置し瘤の血流を遮断し破裂を回避します。標準的な瘤では治療時間2時間、入院5日間です。かつてはコイル塞栓術は再発が多いと言われていましたが、ステント、フローダイバーターの改良により再発は減少しています。最近は分岐部型の脳動脈瘤に対するパルスライダー型ステントによる治療も行っています。しかし、ステントを使用した場合、少なくとも1年の抗血小板剤(血液さらさらの薬)の内服を継続する必要があります。
一方、血管内治療が困難で開頭によるクリップ手術が容易で安全な場合も多くあり、瘤の部位や形状から血管内治療が向かない場合は顕微鏡下手術により瘤にクリップで止めます。
当院では血管内治療と脳神経外科手術のエキスパートが治療を行っています。脳動脈瘤の開頭手術をすすめられた方でも血管内治療で治療可能な場合が多くあります。
脳動脈瘤の治療
コイル塞栓(カテーテル法)
フローダイバーター(カテーテル法)
フローダイバーター留置による脳動脈瘤治療
クリッピング(開頭手術)
脳動脈瘤は脳ドック健診で3%見つかる
福岡和白総合健診クリニックでは人間ドックに脳ドックのコースもあります。脳ドックで脳動脈瘤が成人の3%に見つかり、約10%に塞栓術・手術を行います。一方、小型(5㎜以下)、高齢者では経過観察をします。当院では脳動脈瘤の画像検査(MRI、CT血管造影)による経過観察を外来通院で行い、検査当日に結果説明を行っています。
未破裂脳動脈瘤の罹患率:年齢と性別
未破裂脳動脈瘤の大きさ