社会医療法人財団 池友会 福岡和白病院
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治療内容について

脳血管外科、脳血管内治療について

 脳血管外科の対象疾患は、脳動脈瘤、脳動静脈奇形、硬膜動静脈瘻、頭頚部主幹動脈狭窄です。脳動脈瘤は開頭手術によるネッククリッピング術と血管内治療によるコイル塞栓術があります。脳神経外科専門医、脳血管内治療専門医により論議し、患者さんの病態と希望から経過観察を含め治療法を選択しています。

 脳主幹動脈狭窄に対しては、血管内治療によるステント留置術だ第一選択であり、血管内治療の困難な方に直達手術(頚動脈内膜剥離術、頭蓋内外動脈バイパス手術)を行っています。特に頚部血管の血行再建については、冠動脈狭窄病変、心疾患、末梢血管病変と密接にかかわる病態であり、脳血管外科と循環器内科の診療が欠かせません。

 本グループでは、福岡和白病院に脳血管内治療専門医・指導医が常勤、新水巻病院, 新小文字病院に専門医が常勤、新行橋病院、新武雄病院では専門医が出張で治療を行っています。また、2013年から福岡和白病院は脳血管内治療学会認定研修施設になりました。全国的に専門医が十分でない分野の中で、2014年1月から2016年12月の3年間に関連病院内で822件の脳血管内治療を施行しました(表)。最近の傾向は、急性期脳梗塞、慢性硬膜下血腫の再発例に適応が増加しています。新小文字病院では月に2回、新行橋病院では月に1回の専門外来(原田)を行っています。脳動脈瘤については別に提示します。

関連病院の疾患別の脳血管内治療件数(2014年1月-2016年12月の3年間)
脳動脈瘤 242
∟ 破裂(くも膜下出血) ∟ 68
∟ 未破裂 ∟ 174
脳動静脈奇形 12
硬膜動静脈瘻 9
脳腫瘍 14
慢性硬膜下血腫 9
慢性期脳血行再建 302
∟ 頚動脈(頚動脈ステント) ∟ 239
∟ 椎骨・鎖骨下動脈 ∟ 43
∟ 頭蓋内動脈 ∟ 20
急性期脳血行再建(脳梗塞) 222
くも膜下出血後脳血管攣縮 6
その他 12
合計 822

脳動脈瘤の血管内塞栓術

脳動脈瘤の脳血管内治療(カテーテル治療)
脳動脈瘤は、脳血管に“こぶ”ができ、その血管壁は弱く、破裂によりくも膜下出血を起こします。薬による治療で小さくなることはありません。そのため、5mm以上の脳動脈瘤では破裂予防の治療を検討します。治療法には開頭手術と血管内治療があります。血管内治療は大腿部の動脈から2-3ミリ径のカテーテルを脳動脈に誘導し、プラチナ製の“コイル”を瘤内に留置することで脳動脈瘤への血流を遮断し破裂を回避します。標準的な瘤では治療時間1時間30分、入院5日間です。全身麻酔でも静脈麻酔でも可能で最近は希望に応じて選択し、約50%は全身麻酔で施行しています。

脳動脈瘤コイル塞栓術の最大の魅力は「頭を切らない」で治せることです。70%の脳動脈瘤は治療可能と思っています。逆に部位や形状から30%の瘤は治療できません。一方、塞栓術には限界があります。
  • 1. 血管の曲がりが強い場合はカテーテルやコイルの誘導が難しく血管損傷の危険を伴う。
  • 2. 瘤の根元(ネック)が広い場合は完全に塞栓できない。
  • 3. 10mm以上の大きい脳動脈瘤では再発しやすく再治療が必要になる。
という問題です。
治療方針
  • 1. 破裂率の低い3-4mm以下の小さい瘤では治療は行わず、高血圧予防と禁煙。MRI検査やCT血管造影検査で経過観察。
  • 2. 開頭手術で安全に治療可能な瘤は開頭手術を優先。
  • 3. 基本は全身麻酔で施行、ただし神経症状を観察しながら治療したい病変、患者さんの希望があれば局所麻酔で施行。
  • 4. 治療中に迷ったときは神経後遺症を出さない安全策を優先。
というものです。近年、ステント支援法が可能となりかつては困難であった脳動脈瘤の治療も可能となりましたが、ステントを使用した場合、抗血小板剤の長期内服継続を要する問題があり、ステントを使用せず治療可能な方には使用しない方針です。
関連病院の脳動脈瘤塞栓術242例の背景と成績(2014年1月-2016年12月)
未破裂 174
 女性:男性 123:51
 年齢 平均60歳(27-84歳)
 瘤の大きさ 平均7.7mm(3-25mm)
 手技成功 173(99.4%)
 ステント使用 36(21%)
合併症
 術中破裂 2(1.1%)
 ∟ 永続する神経症状 0
 脳梗塞 2(1.1%)
 ∟ 一過性の神経症状 1
 ∟ 永続する神経症状 1
 再発による再治療 8(4.6%)
 術後の破裂 0
 1ヶ月以内の死亡 1(0.6%)
※遠隔脳出血による
術後の破裂(くも膜下出血) 68
 女性:男性 39:29
 年齢 平均63歳(28-87歳)
 瘤の大きさ 6.8mm(2-18mm)

頚動脈ステント留置術

頚動脈狭窄の血管内治療(カテーテル治療)
頚動脈狭窄は、動脈硬化により頚部血管の狭窄をきたし、脳梗塞の原因となります。狭窄部にはコレステロール塊や固い成分が沈着し(プラークといいます)、剥離して脳血管に飛散します。
  • 頚動脈狭窄症の治療は、
  • 1. 高血圧、脂質異常、糖尿病を治療する、禁煙する。
  • 2. 抗血小板剤を内服する。
  • 3. それでも脳梗塞の原因となる可能性が高い方には血行再建(手術による頚動脈内膜剥離術、頚動脈ステント留置術)を考慮する。脳梗塞を起こし見つかった方(症候性)は、50%以上の狭窄で血行再建を、偶然みつかった方(無症候性)は80%以上の狭窄で血行再建が推奨されます。
最近では、MRIプラークイメージ撮影により、脳梗塞の原因となりやすいプラークが判別可能で、手術適応の参考としています。

頚動脈ステント留置術の最大の魅力は局所麻酔で、頚部を切らないで治せることです。治療時間1時間30分、入院4日間です。一方、限界もあり、特に術中に頚動脈プラークの飛散による脳梗塞の発症が最も頻度が高い合併症です。長期に確立されている頚動脈内膜剥離術には術中の脳梗塞合併症の面で劣ります。
治療方針
  • 1. 狭窄率の低い方では高血圧、脂質異常、糖尿病の改善と禁煙。頚動脈エコー検査やMRI検査で経過観察。
  • 2. 頚動脈内膜剥離術で安全に治療可能な方は手術を優先。
  • 3. フィルター保護装置、バルーン保護装置を用いて、患者さんの病態に合わせた最善の血栓塞栓予防を用い、頚動脈を控えめに拡張する。
「検査で頚動脈が少し狭いから」、「楽だから」という理由での治療はすすめません。生活習慣病の予防、抗血小板療法にかかわらず脳梗塞発症の危険性が高い方を対象としています。一方で、冠動脈疾患があり抗血小板剤の中止が困難な方、心疾患、呼吸器疾患により全身麻酔が困難な方、全身麻酔が負担となる高齢者にも治療可能であり、病態に応じて適切にアドバイスできますので受診ください。
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