社会医療法人財団 池友会 福岡和白病院
Fukuoka Wajiro Hospital

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内科

糖尿病の治療について

当科では糖尿病の治療を中心にした診療を下記の概念を基本にして行っています。

糖尿病治療の目的・目標

糖尿病治療の目標は「健康で元気に過ごせる『健康寿命』を糖尿病が無い方と同じ様に延ばす事」にあります。
上記目的を達成するために日々の「血糖値の調整」を行いながら、血糖値以外の血圧・脂質(コレステロール・中性脂肪)・尿酸・体重等の「動脈硬化の危険因子の調整」を行っています。

糖尿病治療の特徴・要点

第一は「糖尿病は慢性疾患」で、治療期間は長期間を要します。また、血糖値は日々の食事、身体活動(運動)などの生活状況に大きく左右されます。従って「治療体制としては、治療の中心(主役)は患者さんになり、医療従事者や家族などはサポータ役」になります。共同作業で治療環境を良くすることが大事です。
第二の要点は、糖尿病と一言で言っても「発症早期の方から十数年経過した方」、また「合併症が無い方から重篤な合併症を持っている方、糖尿病と関係が無い併発症を抱えた方」など年齢・病歴期間・合併症の有無など多様性が有ります。
 

当院の糖尿病診療体制

当院は救急医療機関、地域支援医療機関としての医療を主体に行っていますので、様々な糖尿病患者さんが受診されます。
合併症の診療に関しては、心臓疾患・末梢血管閉塞症(足病変)は循環器内科・心臓血管外科、脳血管障害は脳神経外科、腎疾患は腎臓内科、視力障害は眼科との併診で入院・外来治療を行っています。また、併発症で外科系病棟に入院され、手術をされる場合などの血糖調整もコンサルトに応じて行っています。
当院では各病棟に栄養士と理学療法士が配属されていますので、食事と運動に関する対応が円滑に出来ます。
外来診療では通常の血糖調整に関する診療(定期診療)は予約診療を原則に行っています。受診に合わせて栄養指導や血管障害の検査(心電図、心臓エコー、頸動脈エコー、足血流検査(ABI)など)が実施出来ます。血糖調整に関しては自己血糖測定(SMBG)、連続血糖測定検査(CGM)などを実施し、各種経口血糖降下剤からインスリン・GLP-1受容体作動薬などの注射薬を駆使して治療を行っています。

通常診療・長期診療に対してのお願い

外来は多くの患者さんが受診されますので、診療時間を確保する為に予約制を原則にしています。また、安定した患者さんには長期診療に備えて近隣の「かかりつけ医」との連携医療を勧めています。
合併症の発生には治療中断歴の有無が大きく関係します。長期受診が出来る療養体制作りを心掛けて下さい。
 

脂質異常症(高コレステロール血症、高中性脂肪血症)、高尿酸血症などの治療について

脂質異常症、高尿酸血症は高血圧とともに大血管障害(動脈硬化症)の危険因子ですので、糖尿病治療では血糖調整と同様に大切な治療対象になります。また治療方法に関しても食事療法、運動療法でも共通する点が多くあり一石二鳥、一挙両得の面が有ります。
注意する点は食事・運動療法は大切ですが「体質的に脂質・尿酸が高い(食事療法だけでは十分低下しない。家族性・遺伝性)場合」が有り、適切な薬物療法が必要です。通常は症状が無く経過し、定期的な検査受診が必要な事は糖尿病治療と共通です。
動脈硬化の危険因子は高血圧、脂質異常症、糖尿病、高尿酸血症(痛風)、喫煙、肥満など。
早期にはメタボ(メタボリック症候群)として指摘されます。介入すれば改善・調整出来る病態です。