社会医療法人財団 池友会 福岡和白病院
Fukuoka Wajiro Hospital

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麻酔科

手術を受けられる患者さまへ

手術を受けるという大きな決断をされ、いろいろとわからないこと、また不安なことがたくさんあるかと思います。手術を受けるためには、麻酔という医療行為が必要です。残念ながら医療には100%絶対に大丈夫ということはありません。しかし、私たち麻酔科医師は、より安全に、より安心して麻酔を受けていただけるよう、日々努力しております。皆さまが少しでも安心して、前向きな気持ちで手術に望めるように、誠心誠意、全力でお手伝いいたします。どうぞお任せください。

手術決定後の手術前日までの流れ

皆さまの手術が決まると、主治医から麻酔科医に全身麻酔の依頼が入ります。主治医からは、手術の説明とともに、簡単な麻酔の説明もありますのでお聞きください。

あらかじめ日にちを決めて行われる予定手術の場合は、必ず麻酔科医師が病室に訪問し麻酔前の診察と麻酔の詳しい説明をいたします(入院前の外来で、診察・説明を行う場合もあります)。麻酔方法については、手術方法と患者さまの全身状態(これまでに患った病気や、現在の病気やお体の状態)によって、一番最適だと思われる麻酔を提案いたします。もしも、特別な希望がある場合(例えば過去に受けた麻酔で気がかりなことがあった場合など)は、可能な限りご希望に沿った麻酔法を検討しますので、遠慮なくお話しください。

その他、手術のこと、麻酔のこと、どんなことでもかまいませんので、何でもお尋ねください。麻酔科医が訪問した時に聞き逃したことがあっても、後から主治医や担当看護師に伝えていただければ、改めて説明に伺います。また、日曜祭日の入院以外であれば、手術室所属の専門看護師も訪問しますので、遠慮なくお尋ねください。

手術前日には担当看護師より、手術室への入室予定時刻と、手術前のいつまで食事をしたり水分をとって良いかという絶飲食時刻の連絡があります。安全な麻酔のために、絶飲食の時刻は必ずお守りください(通常、手術前日の夜までの食事と、手術当日の朝までの飲水が可能です)。

手術当日の流れ

通常、手術当日の朝、病室で点滴をします。手術室への入室時刻になりましたら、担当看護師が手術室へ案内します。手術室の入り口で、手術室看護師へと担当が引き継がれ、各手術室へ入室します。

手術室には、手術専用のベッドがありますので横になっていただきます。各種のモニター(心電図や血圧計など)を体に装着後、顔に酸素の出るマスクをあてます。「これから眠くなりますよ、お薬を始めますよ」と声をかけながら、点滴から静脈麻酔薬が入っていきます。大きな呼吸を数回しているうちに、いつの間にか眠りにつきます。

手術が終了後、麻酔薬の使用を止めると、15分程度で自然に目が覚めます。特におかわりがないことを確認し、入院していた病室や集中治療室に移動します。

緊急手術時の対応

突然決まる緊急手術の場合は、予定手術のような十分な準備ができません。しかし、そのような手術前の準備期間が限られる場合や、ご本人の状態が悪く意思疎通が難しい場合でも、できうる限りの情報収集を行い、より安全に麻酔を受けていただくために、全力を尽くしております。また、緊急手術が入ることによって、皆さまの予定手術の開始時間が遅れたり、場合によっては延期になる場合も起こり得ます。大変申し訳ございませんが、多くの命を救うために必要な措置ですので、ご協力お願い申し上げます。

チーム医療

手術治療は、多くの医療スタッフの協力で行います。手術室には、執刀医、助手、麻酔科医、手術室看護師、臨床工学技士、臨床検査技師、放射線技師など多数のスタッフがチームを組んでより安全な体制で手術を行っています。皆さまの入室時・手術開始時・退室時には、医療スタッフ間で国際基準の安全確認を行っています。

麻酔のしおり

全身麻酔での手術が決まった患者さまに、日本麻酔科学会が発行した「麻酔のしおり」という小冊子をあらかじめ配布しております。もし、入院時にお手元にない場合は、担当看護師にお知らせください。安全性や危険性も含めて麻酔について、分かりやすくかつ詳しく説明されていますので、あらかじめご一読いただければ幸いです。

Q&A

Q.麻酔から覚めたら痛くありませんか?

A.手術中から長い時間効くような痛み止めのお薬を使いますし、強い痛みが予想される手術の場合は、痛み止めの効果が高い区域麻酔(硬膜外麻酔や末梢神経ブロック)や、点滴から持続的に痛み止めの薬を使います。通常は、麻酔から目が覚めても痛みを感じることは殆どないと思います。しかしながら、痛みの感覚は個人差もあるので、もし少しでも不快に感じたら遠慮せずにすぐにお知らせください。追加の痛み止めがすぐに使えるように用意してありますのでご安心ください。

Q.手術の途中で目が覚めることはありませんか?

A.麻酔科医が、皆さま一人ひとりの状態に合わせて、また、最新のモニター装置も参考にしながら最適な麻酔になるように常に調整しています。手術の途中で目覚めて不快な思いをすることは決してありません。手術中は、すぐに対応できるように麻酔科医がついていますのでご安心ください。

Q.手術後に目が覚めないことはありませんか?

A.現在、広く使われている麻酔薬は、手術が終わって使うのを止めると速やかに作用がなくなり目が覚めます。通常の手術であれば、手術終了後、15分程度で自然に目が覚めます。決して目が覚めないということはありませんのでご安心ください。ただし、人工心肺装置を使用するような心臓血管外科の手術や、手術前から体の状態が悪かったり、手術中に予期せぬ出来事(大量出血や重い喘息発作など)があった場合は、麻酔を覚ますことなくお薬で眠ったまま集中治療室に入室していただくことがあります。

Q.背中からする麻酔(硬膜外麻酔・脊髄くも膜下麻酔)は痛くありませんか?

A.あらかじめ十分に細い針で、体の表面の麻酔を行ってからしますので、殆ど痛みは感じないと思います。最初の表面の局所麻酔が、わずかに痛みますが、通常の点滴や注射と同程度です。背中から見えないところで麻酔をするので不安を感じるかと思いますが、手術室の看護師が側に付添い、一つ一つ声をかけながら行います。もし痛みを感じた場合は、我慢せずに教えてください。局所麻酔を適宜追加します。実際の麻酔は10分程度で終わります。

Q.麻酔で眠っている間に、咳をしたりしませんか?

A.麻酔科医が手術室で使っている麻酔薬は、よく効く作用の大きなお薬です。通常の睡眠よりもしっかりとした深い眠りです。痛みの刺激を確実に抑える痛み止めのお薬(医療用麻薬)や、筋肉の緊張をほぐすお薬(筋弛緩薬)も一緒に使いますので、咳が出て手術ができなくなるようなことはありません。麻酔科医が適切に麻酔薬を調整しますので安心してください。