治療について
子宮鏡を用いた子宮鏡手術
子宮鏡手術とは
子宮手術用の細い内視鏡(子宮鏡)を子宮の入り口から挿入し、子宮の内部をモニターで観察します。そのモニターを見ながら、子宮筋腫や子宮内膜にできたポリープなどを子宮鏡の先端にある電気メスを操作し切開・切除する手術を子宮鏡手術といいます。
膣から内視鏡を挿入しますので、見えるところに傷はできません。体への負担が少ない手術です。
【 子宮鏡下手術を行う病気 】
- 子宮内膜ポリープ
- 子宮筋腫(子宮粘膜下筋腫)
- 子宮腔内癒着
子宮鏡のメリット・デメリット
【 メリット 】
- 見えるところに傷がなく、術後の痛みが少ない。
- モニターで観察しながら行いますので、的確な病巣部の切除が可能です。
- 卵管などの癒着が起こりにくいため、癒着が原因となる不妊症を防ぐことができ、妊娠を希望される女性には特に有用です。
- 入院も短期間で、日常生活へ早く復帰できます。
【 デメリット 】
- 子宮鏡は視野が限られているため、どうしても摘出可能な腫瘍の大きさに限界があります。その場合は一度手術を終了し、2回に分けて摘出することもあります。
- 子宮に穴が開いてしまう子宮穿孔というリスクがあり、約100回に1回ぐらいの頻度で発生します。超音波などでモニターしながら切除を進めていきますが、子宮の壁が薄くなると予期せぬ穿孔が起こることがあります。このような場合は、腹腔鏡手術、あるいは開腹手術に切り替えて、穴を塞ぐこともあります。
- 手術の合併症で水中毒というものがあります。800回に1回程度の頻度で起こります。これは、手術時間が長くなると、子宮の内部に注入した液体によって血液が薄くなる現象です。手術時間が長引いてしまい、手術が完遂できない時には後日再び子宮鏡手術を行う場合があります。
受診から手術、退院後まで
- 手術日程を相談します。手術前に薬を使用する場合もあります。
- 手術前検査を受けていただき、後日、検査結果説明と入院手続きを行います。
- 入院・手術(入院期間は2日程度)
退院後は痛みや出血に応じて通常の生活に戻してください。手術後に薬を使用する場合もあります。詳細は担当医または病棟スタッフにご相談ください。 - 退院後、2週間前後で外来を受診していただきます。