社会医療法人財団 池友会 福岡和白病院
住所福岡市東区和白丘2-2-75 092-608-0001
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乳腺外科

日本人女性の乳癌が増加を続けています。罹患率では胃癌を抜いて1位、30歳から65歳の年齢層では死亡率でも1位です。
福岡和白病院は平成17年5月に、日本乳癌学会専門医制度の認定施設に指定されました。福岡和白病院乳腺チームは、今後ますます早期発見・早期治療に力を入れたいと思います。

乳腺外科 外来診療表(3月)

 
初診 西山 康之 古賀 淳 西山 康之
満枝 怜子
(第3・4休診)
西山 康之 久保田 博文 久保田 博文
(第1・3・5休診)
西山 康之
(第2・4・5休診)
再診 久保田 博文
西山 康之
古賀 淳 西山 康之
古賀 淳
久保田 博文
西山 康之
久保田 博文
西山 康之
 
※診察受付時間は11時00分まで、診察時間は午前のみとなります。
※遺伝カウンセリング外来は完全予約制です。詳しくはこちらをご覧ください。>>詳細へ

乳腺外科

イメージ:久保田博文
乳腺外科部長
久保田 博文
島根医科大学卒
資格:
医学博士、日本乳癌学会乳腺専門医、日本乳癌学会乳腺指導医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本外科学会専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法暫定指導医、検診マンモグラフィ読影認定医師(日本乳がん検診精度管理中央機構)、乳房超音波認定医師(日本乳がん検診精度管理中央機構)、臨床研修指導医
所属学会:
日本臨床外科学会、日本癌治療学会、日本乳癌学会、日本乳癌検診学会、日本臨床腫瘍学会
コメント:
わかりやすく説明に心がけ、安心して手術を受けていただくよう努力します。
また、治療については、ガイドラインに沿った治療を心がけます。
イメージ:西山康之
乳腺外科部長
西山 康之
熊本大学卒
資格:
日本外科学会外科専門医、日本乳癌学会乳腺専門医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、検診マンモグラフィ読影認定医師(日本乳がん検診精度管理中央機構)、がんのリハビリテーション研修修了、緩和ケア研修修了、乳房再建用エキスパンダー実施医師、家族性腫瘍セミナー修了、遺伝医学セミナー受講
所属学会:
日本外科学会、日本乳癌学会、日本癌学会、日本癌治療学会、日本臨床外科学会、日本人類遺伝学会、日本家族性腫瘍学会、日本HBOCコンソーシアム、日本オンコプラスティックサージャリ―学会、日本がん・生殖医療学会、日本乳癌検診学会
コメント:
乳がんの治療方法は、手術、薬物療法、放射線療法と多岐にわたります。また、治療の組み合わせや順番は、病状(がんのステージ・がん細胞の性質・それぞれの体調や取りまく環境)によって大きく変わってきます。私たちは、ひとりひとりに最適な治療方法を提案します。がん治療に不安はつきものです。不明な点はなんでもご相談ください。
イメージ:徳永 裕貴
徳永 裕貴
山口大学卒
資格:
検診マンモグラフィ読影認定医師(日本乳がん検診精度管理中央機構)、日本外科学会専門医、日本乳癌学会認定医、臨床研修指導医
所属学会:
日本外科学会、日本乳癌学会、日本消化器外科学会、日本臨床外科学会
コメント:
胃がん、大腸がんなどの消化器悪性腫瘍、乳腺疾患、その他、胆石症や鼠径ヘルニア、腹部救急疾患の診療を行います。お気軽に御相談下さい。
イメージ:満枝 怜子
満枝 怜子
宮崎大学卒
資格:
麻酔科標榜医、日本外科学会専門医
所属学会:
日本外科学会、日本臨床外科学会、日本消化器病学会、日本内視鏡外科学会、日本胸部外科学会、日本腹部救急医学会、日本消化器外科学会
イメージ:古賀淳
古賀 淳(非常勤)
九州大学卒
資格:
日本外科学会指導医、日本外科学会専門医、日本乳癌学会乳腺専門医、、日本消化器外科学会認定医
所属学会:
日本外科学会、日本乳腺学会、日本消化器外科学会、日本乳腺甲状腺超音波会議(JABTS)

乳がんが増え続けています

和白病院乳腺外科

 和白病院は平成16年4月乳腺外科を創設しました。 (担当:古賀淳、乳腺外科センター長、日本乳癌学会専門医、日本乳癌検診学会評議員・マンモグラフィA判定) また、平成20年1月からは久保田博文乳腺外科部長(日本乳癌学会専門医・評議員、日本乳癌検診学会、 マンモグラフィ・乳腺超音波診断A判定)を迎えました。
  和白病院乳腺外科は東区はじめ福岡東北部の市町村をあわせた広い地域からの多くの患者様の診断と治療を担当し、 よい評価をいただいています。和白病院乳腺外科の診療実績をご覧ください。

乳がんについて

乳がんは、30歳台後半から徐々に増加します。特に40歳からは多く発生するようになり、現在日本人女性の11人中1人は乳がんになると言われています。乳がん患者さんの平均年齢は58歳前後です。乳がんは若い人がかかる病気であるとなんとなく考えてしまいますが、30歳台より70歳台、80歳台のような高齢者の患者さんも多いことが特徴です。

症状としては、「しこり」と「乳頭分泌」がもっともよく見られる症状です。乳房の痛みを伴う乳がんは10%前後であり、痛みのないことがはるかに多いことを覚えておくべきでしょう。「痛みがないので、病院にいかない」、「痛みがないので、検診にいかない」という考え方はお勧めできません。

乳がんによる死亡率を低下させるための対策は、早期発見・早期治療です。乳がん検診には、市町村単位で行われる住民検診や職場単位で行われる職域検診があり、マンモグラフィによる検診が基本です。ただし、個々の乳房の状況によっては、乳房超音波(エコー)を併用することが勧められる場合もあります。マンモグラフィは、「石灰化」と言ってカルシウムの沈着を見つける能力がすぐれており、この検査によって手では触れにくい乳がんの発見が可能になる検査方法です。一方、乳房超音波(エコー)は「石灰化」をみつける能力はマンモグラフィに劣りますが、マンモグラフィでは指摘しにくい「小さなしこり」をみつける能力は、マンモグラフィに優ります。各々に特徴があり、どちらも優れた検査です。

当院での乳がんの治療成績

当院で治療された患者さんの発見動機別の治療成績をみたものが、図1です。10年生存率で示しています。これは治療を開始してから10年後に何人の方が生存しているかをパーセントで表したものです。検診発見患者さんでは10年後に96%の方が生存されているのに対し、非検診発見患者さん(自覚症状があって受診された患者さん)では81%でした。明らかに検診発見例のほうが治療成績が良好です。

次にステージ(進行度)別の治療成績をみたものが、図2です。10年生存率をみますと、ステージ0では97%、ステージ1で94%、ステージ2で88%、ステージ3で72%、ステージ4で18%であり、ステージが早期であればあるほど、治療成績は良好です。また、ステージ4は最も病状の進行した状態です。治療方法が進歩した現在、長期にわたり生存する患者さんもいらっしゃいます。

なぜ乳がんが増えているのでしょうか?

1. 食生活の欧米化に伴う日本人女性の内分泌環境、成長の変化
(早い初潮と遅い閉経、早い成長と体格の向上)

2. 社会環境の変化に伴う結婚、出産などの生理的因子の変化
(未婚の増加、結婚年齢・初産年齢の高齢化、少子化)

3. ライフスタイルの変化に伴う閉経後の肥満の増加
(高脂肪、動物性蛋白の過剰摂取と運動不足)

日本人女性の上記のような傾向が、乳がんの増加にかかわっていると考えられています。

外来受診者の検査について

 まず問診カードに症状や生活歴を記載していただいた後、検査着に着替えて頂きます。 次に専門医による診察とマンモグラフィ、超音波検査を受けていただきます。 触診・マンモグラフィ・超音波の所見を総合し、診断をいたします。 新患の場合は、待ち時間が長くなり結果を後日ご説明しなければならないことがあります。 ご了承ください。病院での検査と治療の流れをご参照ください。

遺伝性乳がん卵巣がん症候群:HBOC(Hereditary Breast Ovarian Cancer )

日本では乳がんが増加しており、年間9万人の日本人女性が乳がんにかかると言われています。女性の30歳から64歳では、乳がんが死亡原因のトップです。そして生涯に乳がんを患う日本人女性は、現在、11人に1人と言われ、女性にとっては最も身近ながんです。がん(乳がん・卵巣がんを含む)の発症と関係するものは、大きく分けて「環境によるもの」と「遺伝によるもの」に分けることができます。遺伝が、がんの発症と強く関わっている場合を「遺伝性のがん」といいます。遺伝性の乳がんは乳がん全体の5-10%です。遺伝性乳がんの代表的なものとして、「遺伝性乳がん卵巣がん症候群:HBOC(Hereditary Brest Ovarian Cancer)」があります。HBOCと診断された方はが乳がんだけでなく卵巣がんも発症しやすい傾向があります。

HBOCには以下の特徴があります。
  • • 若年で乳がんを発症する
     トリプルネガティブ(エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、HER2発現がないタイプ)の乳がんを発症する
  • • 両方の乳房にがんを発症する
  • • 片方の乳房に複数回乳がんを発症する
  • • 乳がんと卵巣がん(卵管がん、腹膜がんを含む)の両方を発症する
  • • 男性で乳がんを発症する
  • • 家系内にすい臓がんや前立腺がんになった人がいる
  • • 家系内に乳がんや卵巣がんになった人がいる

HBOCの診断を行うためには、BRCA1遺伝子とBRCA2遺伝子を調べます。BRCA1/2遺伝子のどちらかに病的変異があると、乳がんだけでなく卵巣がんも発症しやすい傾向があります。一般に女性が乳がんを発症する確率は生涯で9%といわれています。BRCA遺伝子に変異があると、70歳までに49~57%になると報告されています卵巣がんに関しては、70歳までに発症する確率が1%なのに対して、BRCA遺伝子に変異があると18~40%と報告されています。遺伝性腫瘍を的確に診断することは、当事者である患者さんにより適切な治療や個別の定期検査を提供できること、将来についてより具体的な見通しが立つことだけではなく、同じ体質を有している可能性がある血縁関係の方にも正確な医療情報をお伝えすることができます。

遺伝子の変異は子どもに受け継がれますか?

遺伝子とは人の体の設計図のようなものです。人の体は37兆個の細胞でできていると言われますが、その細胞一つ一つに遺伝子が入っています。HBOCに関連があるのはBRCA1/2遺伝子です。この遺伝子は誰でも持っています。このBRCA1/2は、遺伝子が傷ついたときに正常な状態に修復する働きを持っており、とても重要です。BRCA1/2に生まれつき変異があり、さらに大人になって本来の機能が失われると、乳がんや卵巣がんなどにかかりやすいことがわかっています。この変異は2分の1の確率(50%)で子供に伝わることがわかっています。男性にも女性にも伝わります。変異を受け継いだからといって必ず病気をおこすわけではありません。しかし、変異があること分かれば、発症する前にいろいろな対策をとることができるようになってきました。

遺伝カウンセリング外来受診について
遺伝カウンセリングでは、遺伝子検査の種類や費用の説明だけではなく、遺伝子検査を受けて分かること・分からないこと、結果をどのように活用できるのか、遺伝子検査を受けない場合について話し合います。遺伝子検査のメリットとして、自分や家族が遺伝子の変異をもっているのかどうかはっきりさせることができます。また、がんの早期発見をするため個別的な定期健診をうけていくことの決定材料になります。デメリットとして、がんに対する心配や将来の不安が増すことがあるかもしれません。同じ乳がん患者さんでも、年齢や立場、考え方や価値観は異なり、遺伝子検査に対する考え方もそれぞれです。そのため遺伝カウンセリングではしっかりとお気持ちを伺い、対応を考えていきます。遺伝カウンセリングの第一歩としてまずは、ご本人がこれまでどんながんにいつごろかかったのか、血のつながった方にどのようながんにかかった方がいらっしゃるのかを詳しくお聞きすることからはじまります。その上で家系図を作成し、遺伝にかかわるがんかどうかを評価します。
PARP阻害剤オラパリブ(リムパーザ)とBRACAnalysis診断システム
オラパリブ(リムパーザ)とは、「がん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能または再発乳癌」へ使用できることになった新しい抗悪性腫瘍薬剤です。PARP阻害剤と呼ばれる分子標的治療薬で、BRCA変異のある方(HBOCと診断された方)に効果が確認されています。2018年7月から使用できるようになりました。BRACAnalysis診断システムはHBOCの診断を確定するために必要な検査です。この検査で「陽性」と判断された場合はオラパリブ(リムパーザ)による治療を受けることができます。「陽性」の場合は遺伝カウンセリングが必要です。くわしくは外来の担当医にご相談ください。
九州家族性腫瘍ネットワーク
当院は九州がんセンターを中心とした 家族性腫瘍ネットワークに登録しています。HBOC以外の家族性腫瘍はこのネットワークを通じて対応が可能です。
遺伝子検査
  • • 遺伝カウンセリング外来のあと、ご本人がご希望された場合に遺伝子検査を行います(文書による同意が必要です)。
  • • 検査は採血です。結果が判明するまで3週間ほどかかります。
  • • 遺伝子検査の費用は別途必要です(下記)。
  • • 遺伝カウンセリングは自費診療です(下記)。
  • • 同日に保険診療を受けることはできません。
お問い合わせ先
受付時間:月曜日〜金曜日 13 : 00 ~16 : 00
TEL:092-608-0001(代表)
「外科外来へ」「遺伝カウンセリングについて」とお伝えください。
遺伝カウンセリング料
初回5,400円(消費税込み)
2回目以降2,700円(消費税込み)
遺伝子検査(BRCA1とBRCA2)
発端者
(血縁者ではじめて遺伝子検査を受ける場合)
210,000円(消費税込み)
血縁者35,000円(消費税込み)

乳房再建術とは?

乳房再建術とは、乳がんの手術により切除された乳房をもう一度取り戻す手術方法です。乳房再建術は、自家組織移植法(自分の他の部分の組織を移植する方法)と人工乳房を使った手術が一般的です。当院では主に人工乳房を使った手術を行っています。現在、人口乳房による乳房再建に関して保険適用が認められています。

乳房再建術は乳がんの乳房切除術に引き続き行われ、外見を整えるという観点で行われます。乳房を失うことで、温泉に入れない、バランスが悪い、パットがわずらわしいといった不自由さを感じる人は多く、乳房を再建することでこれらの精神的、肉体的問題が改善すると考えられます。乳房を再建することで再発が増えたり、再発の診断に影響することはありません。しかし、乳がんそのものの治療方針との兼ね合いから選択する必要があります。患者さん個々における病状の進み具合や放射線治療、薬物療法との併用などの状態によってはお勧めできないことがありますので、乳がんの治療全体の中での選択について主治医とよく相談する必要があります。

人工乳房を用いた乳房再建術の流れ

皮膚拡張器(組織拡張器)による皮膚の拡張
乳房切除を行なった場合、人工乳房(シリコンインプラント)が入れられるように皮膚を伸ばす必要があります。そのため、乳房切除時に大胸筋の裏側に一時的に組織拡張器(ティッシュ・エキスパンダー)を入れます。手術の後、外から生理食塩水を段階的に注入して、ティッシュ・エキスパンダーを膨らますことで皮膚を伸ばしていきます。
人工乳房の挿入
ティッシュ・エキスパンダーの手術から6か月以上間隔を空けて行います。シリコンインプラントは、大胸筋裏側のティッシュ・エキスパンダーと入れ替える形で挿入し、乳房の形を整えます。
インプラントを用いた再建術に伴う注意点
感染症:
人工物であるインプラントを手術で体内に入れるため、感染症を起こす可能性があります。その場合はインプラントをいったん取り出し、感染症の治療を行い、完治した後に、入れ直すことがあります。
皮膜拘縮(ひまくこうしゅく):
インプラントの周囲に薄い膜ができ、膜が硬くなって縮むことにより乳房が硬くなる可能性があります。
インプラントの交換:
時間とともに状態が変化し、交換や摘出が必要になることがあります。
当院の対応
当院では乳房切除に引き続いてティッシュ・エキスパンダーを入れる手術を行っています。シリコンインプラントに入れ替える手術は提携先であるYanaga CLinicにて行います( http://www.yanaga-cl.com/)。乳房再建について不明な点ありましたら担当医に遠慮なくおたずねください。

薬物療法 ~5つのサブタイプ

乳がんの治療方針の決定のためには、腫瘍の病理組織検査(顕微鏡でがんの組織を詳しく調べること)が必要です。それは、乳がんは患者さんによりそれぞれが異なった性格を持っていることが明らかになったからです。

近年、遺伝子検査により乳がんを大きく5つのタイプに分ける考え方が示されました。しかし、日常診療では遺伝子検査は困難です。そこで、ホルモン感受性(エストロゲン、プロゲステロン受容体)、HER2(ハーツー)、そして組織学的グレード分類(悪性度)を病理学的 に調べることで、5つのサブタイプを区別できることがわかりました。このサブタイプの特徴に合わせて治療方針を立てていきます。

  • 1

    Luminal A

  • ルミナル A

    ホルモン受容体陽性でHER2陰性、かつ悪性度が低い場合

    ホルモン感受性が強く、化学療法(抗がん剤)は不要

  • 2

    Luminal B

  • ルミナル B

    ホルモン受容体陽性でHER2陰性であるが、悪性度が高い場合

    ホルモン療法に効果があるが不十分な場合があり、化学療法が必要

  • 3

    Luminal HER2

  • ルミナル HER2(ハーツー)

    ホルモン受容体、HER2ともに陽性の場合

    ホルモン療法に加え、化学療法+分子標的療法が必要

  • 4

    HER2 enrich

  • HER2(ハーツー)

    ホルモン受容体陰性で、HER2陽性の場合

    化学療法+分子標的療法が必要

  • 5

    Triple Negative

  • トリプルネガティブ

    ホルモン受容体陰性、HER2陰性の場合

    化学療法が有効

多遺伝子アッセイ(オンコタイプDX)とは?

乳がん手術の後、可能な限り再発を減らすため、多くの方が薬物療法を受けています。その使用する薬剤の選択は5つのサブタイプにより決定されます(薬物療法~5つのサブタイプ)。つまり個々の患者さんのがんの状況に応じて治療の方針は変わってきます。

5つのサブタイプのうち、ルミナルAはホルモン療法単独、ルミナルBはホルモン療法+抗がん剤がおすすめの治療方法です。ところが、ルミナルAとルミナルBは病理学的検査(腫瘍を顕微鏡で調べる検査のこと)では区別が難しい時があります。つまり、ホルモン療法単独で治療した方がよいのか、ホルモン療法+抗がん剤で治療した方が良いのか、判断が難しいことがあるのです。ホルモン療法は比較的副作用が少ない治療方法ですが、抗がん剤治療はホルモン療法と比べるといろいろな副作用の心配があります。できれば抗がん剤は避けたいと考える患者さんが多いようです。

その時に有効なのがオンコタイプDX(OncotypeDX)という検査方法です( Oncotype IQ)。 手術で切除した腫瘍の一部を使って検査しますので患者さんのからだに新たに負担がかかることはありません。その腫瘍組織から21個の遺伝子を検査してがんの性質を調べます。その検査の結果から化学療法を行なった方がよいのかどうか判断の助けになるというわけです。検査の結果は再発スコアとして点数化されます。この再発スコアが低値の場合は再発率が低く、化学療法の上乗せ効果が見られませんのでホルモン療法単独で十分な治療効果が期待できます。

2018年7月、オンコタイプDXに関する新しいデータが発表されました(TAILORx試験)。リンパ節転移がないルミナルタイプの患者さんにオンコタイプDX検査を行って、再発スコアが25点以下であれば、ホルモン療法に抗がん剤を追加しても、ホルモン療法単独と治療成績が変わらないことが示されました。病理学的検査で抗がん剤を追加するかどうか判断に迷う場合、オンコタイプDXはとても有効な検査であると言えるでしょう。

オンコタイプDXは初発乳がんの患者さんに行なわれる検査です。そのうち対象となるのは5つのサブタイプのうち、ルミナル A、または、ルミナル Bタイプ(ホルモン受容体陽性、HER2陰性)で、リンパ節転移陰性もしくはリンパ節転移1~3個の浸潤性乳がんの患者さんです。その他のサブタイプの判定には使用できません。また、再発患者さんにも適用されません。現在のところ、オンコタイプDXは保険収載されていない検査です。自費診療になりますので、担当医にご相談ください。

当院での乳房疾患に対する画像診断

マンモグラフィ検査
特徴は
  • 1. 撮影時間が通常の約半分で終了します。
  • 2. 画像の確認を即時にできるため、再撮影が非常に少なくなります。
  • 3. 高画質のため、小病変、石灰化の描出に威力を発揮します。
  • 4. トモシンセシス(3Dマンモグラフィ)により描出能が向上します。
※トモシンセシス
トモシンセシスとは最新の技術を用いた検査の名称で、断層を意味するトモグラフィーと合成を意味するシンセシスの二つの言葉から作られた造語です。
乳房を挟み固定した状態で、装置が大きく動きながら異なる角度でX 線を9 回照射し、任意の複数断層画像を一度に得られます。撮影時間は大体10秒程度です。
従来のマンモグラフィでは、病変と周囲の組織が重なり病変が見えにくくなる欠点がありましたが、トモシンセシスでは、1mm厚の複数断層画像により重なりが少ない画像を得ることができるため、病変の抽出能の向上が多数報告されており、当院においても大きく期待されている検査です。被ばく量に関しましても、極端に増えることなく行えます。
マンモグラフィーとトモシンセシスの違い
乳房超音波検査
微小な石灰化病変の描出には、多少難がありますが、乳腺が多く残っている乳房(年齢に関係なく)内の病変や、小さな「しこり」を描出する能力が高い検査方法です。
乳房MRI検査
マンモグラフィ検査や乳房超音波検査ではわかりにくい病変の拡がり程度を検査するのに適しています。主に手術前の検査として行われますが、一部の方には乳癌検診の一つの方法にもなります。
その他
  • 1. CT検査
  • 主に肺・肝臓・リンパ節転移等の有無を確認する検査として行われます。
  • 2. 骨シンチグラフィ検査
  • 骨転移の有無を確認する検査として行われます。
  • 3. PET/CT検査
  • CT検査や骨シンチグラフィ検査に加えて行うことがあります。主に肺・肝臓・リンパ節・骨転移等の有無を確認する検査として行われます。
  • 4. 骨密度測定検査
  • 主に、閉経後の患者様に、骨粗しょう症の有無や程度を調べる検査として行います。
  • 5. 頭部MRI検査
  • 主に、脳転移の有無を確認する検査として行われます。
  • 6. 脊椎MRI検査
  • 脊椎骨への骨転移の有無や程度を確認する検査として行われます。
いずれも当院で可能な検査です。

和白病院乳腺チーム勉強会

イメージ:和白病院乳腺チーム勉強会 毎月第1木曜日に乳腺外科に携わる医師・看護師・薬剤師・放射線技師・検査技師・理学療法士・栄養師・ 外来クラーク・研修医などが一同に会し勉強会を行っています。

乳腺患者会「ピンクローズの会」

イメージ:ピンクローズの会

ボタン:ピンクローズの会について

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