
検査科・病理検査室
臨床検査科は病気の診断・治療・経過の指針となる患者様の情報を臨床の現場へ提供することを業務としています。当院検査科では24時間・365日常に臨床検査技師が常駐し、昼夜問わず質の高い検査の提供を行っています。
福岡和白病院特別顧問 臨床検査部長
渡辺 照男
九州大学卒
- 資格:
- 医学博士、死体解剖資格認定、日本臨床検査医学会臨床検査管理医、日本病理学会病理専門医研修指導医、日本病理学会病理専門医
- 所属学会:
- 日本動脈硬化学会、日本腎臓学会、日本血管生物医学会、日本臨床検査医学会
病理診断科主任部長
中野 龍治
久留米大学卒
- 資格:
- 日本病理学会病理専門医、日本臨床細胞学会専門医
- 所属学会:
- 日本病理学会、日本臨床細胞学会、日本臨床検査医学会
一般検査室
血液や尿など患者様から採取した試料(検体)に含まれる成分や細胞を調べます。特定の病気に対して、ある成分や細胞の数値が増減することがわかっています、それらを調べることでどういった病気が疑われるのか、情報のひとつとして医師へ検査結果を報告しています。当院では最新の分析装置を各2台ずつ導入し、診療を円滑に進める為、正確かつ迅速な検査結果の提供を行っています。
- 生化学・免疫検査:
- 肝機能検査(AST、ALT等)、腎機能検査(BUN、CRE)、蛋白質(総蛋白、アルブミン)、脂質・糖代謝検査(各種コレステロール、血糖等)、感染症(肝炎ウイルス、梅毒、HIV等)、腫瘍マーカー(CEA、AFP等)
- 血液学検査:
- 血算(赤血球、白血球、血小板)、凝固検査(PT、APTT、フィブリノゲン等)
- 尿・便検査:
- 尿検査(潜血、尿糖、尿蛋白、尿沈渣等)、便潜血検査
- 輸血検査:
- 血液型、交差適合試験
- その他検査:
- HbA1c、体腔液検査(髄液、腹水、胸水等)、インフルエンザ検査等
生理検査室
当院の生理検査室は大きく二つの部屋に分かれています。
- 第一生理検査室:
- 心電図検査、負荷心電図検査(トレッドミル、エルゴメーター)、脳波検査、肺機能検査、血圧脈波、筋電図検査等
ホルター解析センターも設立し、当院にてホルター心電図の解析を行い、地域の開業医の先生方と連携を図っています。
- 第二生理検査室:
各種超音波検査(腹部、心臓、全身血管、乳房、体表等)
超音波検査機器は汎用機器として、6台設置し全身のあらゆる領域に対応しています。また当院の主軸となる救急外来へも出向き、24時間365日超音波検査が可能な体制を築いています。
認定制度へも積極的に参加しており、超音波検査士、血管診療技師(CVT)、も常駐していることでより専門的で臨床に活かせる結果を返せるよう日々努力しています。
病理検査室
病理検査室では、組織検査、細胞診検査、術中迅速検査、病理解剖を行っています。必要に応じて、免疫染色や外注にはなりますが電子顕微鏡的検索・PCR等の分子生物学的手法を用い、より的確な診断が行えるように心がけています。
また、CPCやキャンサーボード、各種カンファレンス等を積極的に行い、臨床各科や他部署との意見交換や連携を深め、より適切な診断・治療が行えるように協力しています。
現在、常勤2名(うち1名は兼細胞診指導医)の認定病理医が診断を行っており、病理診断に関するコンサルテーションをすることで、さらなる質の向上を目指しています。
病理解剖について
病理解剖とは、ご遺族の承諾のもとに病死された患者さんの解剖をさせていただくのが「病理解剖」です。生前の診断は正しかったのか、どのくらい病気が進行していたのか、適切な治療がなされていたのか、治療の効果はどれくらいあったのか、死因は何か、といったことを判断します。
病理解剖の肉眼的所見は、解剖を行った病理医から主治医へと報告され、ご遺族に説明されます。なお、顕微鏡所見を含めた最終診断には少し時間が必要です。
病理解剖の結果が蓄積されることによって、他の方法では得難い医学の進歩への貢献が期待されます。また、病理解剖によって得られた知識・経験は同じ病気で苦しむ患者さんの診療にも活躍できます。病理解剖はある意味で個人がなしうる社会への最後の貢献と言えます。
ご病気で万が一不幸な結果に終わった時は、病理解剖の意義をご理解いただき、ご遺体の解剖をお許しいただくようにお願い申し上げます。
実績
- 【業務実績(健診含む)】
生理検査(平成28年4月~平成29年3月)
心電図 |
62,787件 |
負荷心電図 |
740件 |
ホルター心電図 |
779件 |
血圧脈波 |
2,289件 |
脳波 |
218件 |
筋電図関係 |
310件 |
超音波検査 |
└腹部エコー |
24,620件 |
└心エコー |
11,196件 |
└体表エコー |
17,378件 |
(血管・乳腺等) |
病理検査(平成28年4月~平成29年3月)
組織 |
3.547件 |
細胞診 |
11,351件 |
迅速 |
167件 |
OSNA法 |
68件 |
解剖/CPC |
11/7件 |
一般検査(平成28年4月~平成29年3月)
生化学 |
121,913 |
免疫 |
45,775件 |
血算 |
115,396件 |
AIC |
50,706件 |
凝固 |
19,969件 |
血型 |
6,536件 |
尿/便 |
76,527件 |
- 【認定資格者数】
細胞検査士 |
3名 |
認定超音波検査士 |
└消化器領域 |
7名 |
└循環器領域 |
5名 |
└体表領域 |
1名 |
└健診領域 |
1名 |
血管診療技師(CVT) |
3名 |
二級検査技師 |
2名 |
緊急検査士 |
5名 |
JABTS乳腺エコー検定 |
└A級 |
1名 |
└B級 |
1名 |
- 【学会・論文業績】
●2016年5月25日 第44回血管外科学会総会 演題発表 |
演題 |
異なる治療経過をたどった医原性仮性動脈瘤 |
演者 |
福良 剛志 |
●2016年6月11日 第41回日本超音波検査学会総会 演題発表 |
演題 |
浸潤性乳管癌と乳腺症が混在した1症例 |
演者 |
永池 茜(共同演者:川上 杏奈) |
●2016年7月17日 JSS第23回九州地方学術集会 演題発表 |
演題 |
下肢静脈瘤治療におけるIPV詳細評価の必要性 |
演者 |
福良 剛志(共同演者:山 仁美) |
●2016年10月 4学会構成血管診療技師機構 (日本血管外科学会、日本脈管学会、日本静脈学会、日本動脈硬化学会) |
|
CVT血管診療技師認定取得 |
技師名 |
中埜 康治郎 |
●2016年10月13日 第57回日本脈管学会総会 演題発表 |
演題 |
下肢静脈瘤治療におけるIPVの治療前後の比較 |
演者 |
山 仁美(共同演者:福良 剛志) |
●2016年11月4日 第26回乳癌検診学会学術集会総会 演題発表 |
演題 |
健診PET/CTにて偶然発見された男性乳癌の一例 |
演者 |
永池 茜(共同演者:大野 絢) |
●2016年11月17日 第44回日本救急医学会総会学術集会 演題発表 |
演題 |
超音波検査で門脈ガスの発見により診断しえた腸管嚢腫様気腫症の2例 |
演者 |
中埜 康治郎(共同演者:福良 剛志) |
●2017年3月12日 第34回合同学術研究発表会 |
演題 |
当院来院の心肺停止患者における血中アンモニア値と予後の関連についての検討 |
演者 |
岩見 真人 |